あつし

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのあつしのレビュー・感想・評価

4.4
「知ってるか?天国じゃ、みんなが海の話をするんだぜ。」

ずっと気になっていた本作をようやく鑑賞。

余命宣告された主人公2人が、死ぬ前に見たことのない海を見るために、逃亡していくロードムービー。

詩的なセリフが多くてグッと心を掴まれた。

何となくタランティーノやガイ・リッチーっぽさがありつつも、ドイツ映画だからなのか、独特の味も垣間見えて自分の性癖に刺さった。

基本、コメディ調のドタバタ群像劇のノリで進んでいくが、たびたび"死"という現実が襲ってくるギャップがヤバい。

おそらく、余命による"死"というテーマを扱っているからか、銃撃戦で誰も死なないところも、ラストシーンと命の重みがより際立って良い配慮。

ギャング2人のキャラもめっちゃ良かった。

警察に追い込まれた時はどうなる事かと思ったが 笑

まさか冒頭の売春宿シーンがここで回収されるとは 笑

ラストカットがあまりにも美しすぎた。

「天国では、皆が話す。海のこと、夕陽のこと。あのバカでかい火の玉を眺めてるだけですばらしい。海と溶け合うんだ。ロウソクの光のように一つだけが残る。心の中にな。」
あつし

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