Keigo

傷跡のKeigoのレビュー・感想・評価

傷跡(1976年製作の映画)
3.7
キェシロフスキ監督作品5作品目。

正直に申し上げますと、ちょっと分からなかったかな...

良さが分からないというのではなくて、そもそも何が描かれていたかが。だから好きとか嫌いとか以前の問題という感じ。

キェシロフスキの事だから、今作にも普遍的な人間の業が炙り出されていることだろうと思うし、国家や社会や組織や集団、それらに属する個人の葛藤というところは多少なり汲み取れたと思うけど、どうもそれだけの作品のようには思えない。キェシロフスキがこの作品を撮ることによって、もっと大きな何か、もしくはもっと真に迫った何かについて語ろうとしているような気がするけど、それが何かが分からない。

当時の世相を感じさせるうら寂しい映像の質感とか、なぎ倒される木々とか、惹かれるショットもありつつも、なんかよく分からなかったけど良かった!と言えるほどの感触もなく...

話しのスケールも大きくて、ポーランドの時代背景や政治的背景への自分の理解も足りないだろうし、明確に映し出されていることも仄めかされていることも、とにかくボロボロと取りこぼしてることが多いような気がする鑑賞後感。

自分の理解が及ばなかったのか、キェシロフスキの語りが上手くいっていないのかすら分からないから、スコアを付けるのも難しいけど現時点での体感を素直に。でもおそらく自分が分かってないだけだと思うので、修行を積んでまた観返したいと思う作品。


GEOレンタル 15/18
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