ついにこの春から小学生になった息子が、自ら映画観に行きたいと言ったことがとても嬉しくて、父は小躍りしながら連れて行きました。
上映前座席に息子と2人で座っていると、「あの子たち見て」と息子から肩を叩かれた。息子が指す方に目をやると、お揃いの洋服を着た小さな姉妹が劇場に入ってきたところだ。2人とも、頭にはタケコプターがついた帽子をかぶっている。
やっぱり映画ってそうだよな、と思う。
買ってもらったのか作ってもらったのか、姉妹でタケコプターの付いた帽子をかぶって、映画館でドラえもんの映画を観るという体験。その記憶。そこまでを含めて。
その体験は例えるなら、大人になって夜景の見える高級レストランで食事するような体験とは違っていて、家族の誕生日やクリスマスに自宅が簡単に飾り付けられて、いつもより少し豪華な食事が並べられて、変わり映えのしない日常の風景がうっすらと色付くような些細なものかもしれないけれど、案外子供の頃のそんな記憶の方が鮮やかだったりするものだと、そんなことを考えながら観た。
音楽がテーマに据えられているので、いつもの面々はそれぞれ楽器を割り当てられるが、のび太がリコーダー、ジャイアンがチューバというのはともかくとして、スネ夫がヴァイオリン、しずかちゃんがボンゴという辺りになんとなく現代みを感じたり。おそらく自分が子供の頃なら、スネ夫がボンゴでしずかちゃんがヴァイオリンだったろうなと。