イチロヲ

俺にさわると危ないぜのイチロヲのレビュー・感想・評価

俺にさわると危ないぜ(1966年製作の映画)
3.5
ベトナム帰りの従軍カメラマン(小林旭)が、闇組織に拐われた恋人(松原智恵子)を取り戻すべく、諜報活動を開始する。60年代のポップ・カルチャーを起用している、アクション・コメディ。都筑道夫・著「三重露出」を原作に取っている。

過剰気味なライティング&フィルター処理により、コミカルかつサイケな絵作りを実現。アングラ劇、ゴーゴークラブ、場末のトルコ風呂など、60年代カルチャーが凝縮されているところも醍醐味。

主人公と共闘することになる5人組の女性は、山田風太郎を口火にした「くノ一ブーム」を背景にしたもの。何でもかんでも「くノ一忍法」にしてしまう頭の悪さが素晴らしく、手裏剣の代わりにシングルレコードを投げる忍術(?)がキッチュでカッコいい。

女優陣のランジェリー姿が多いため、眼福にあずかることも可能。石井輝男が東映エログロ路線を展開させる直前に、後のロマンポルノ組が「健康的なエロ・エンタメ」を製作していたという事実。あらゆる観点において、感慨深いものがある。
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