広島カップ

地獄の黙示録の広島カップのレビュー・感想・評価

地獄の黙示録(1979年製作の映画)
4.0
東京ディズニーランドのこんなジャングル・クルーズはイヤだ!

・途中にダムがある
・客が皆んな酒臭い
・クルーが青森弁だ
・冬には川が凍結する
・河童淵という淵がある
・両岸の植栽が松竹梅だ
・鮭の稚魚を放流している
・雨の日は増水して園内に溢れる
・春先にはオタマジャクシがいる
・水面にメタンガスの泡が出ている
・船が帆船で風が無い日は動かない
・一隻だけ幽霊船という噂の船がある
・船から鵜を川に投げている客がいる
・出発はしたが帰って来た船がいない
・BGMに滝廉太郎の「花」がかかる
・船には座席が無くゴザが敷いてある
・船尾に日の丸の国旗が掲げられている
・客が寡黙なお年寄り一人しか乗っていない
・何時間経っても終点に着かず飽きてしまう
・船に乗る前に保険に入ることを勧められる
・記念に水筒に水を入れて持って帰る客がいる
・TV番組で川の水を全部抜かれたことがある
・川で獲れた魚を園内のレストランで出している
・岸からフライフィッシングをしている奴がいる
・全員ライフジャケットの着用が義務化されている
・川の水はTDLのトイレの水を浄化して使っている

閑話休題

戦争は人を狂わせることを結構大袈裟に描いている。
ドアーズのジ・エンドが流れるオープニングシーンで、ナパーム弾が焼き払うベトナムのジャングルを見せられるだけでも充分狂気を感じるけれど、そんな感じが最後までずっと続く。

冒頭のJ.C.のような小船が秘密司令を受けた米兵を乗せてベトナムの河をカンボジアに向かって遡る。
この川の上流には何があるのか?
ジャングルの奥に何があるのか?
人の心の奥底には何があるのか?
戦争は心をどのように変えるか?
遡る小船の上でウィラード大尉(マーチン・シーン)は自問自答しながら人を狂気に駆り立てる戦地の川を行く。映画館の観客を一緒に乗せながら。
こんなジャングル・クルーズはイヤだ!

それにしても凄まじい画の迫力。爆撃シーンはもとよりヘリコプターの飛行シーンやラストのクライマックスまで、狂気をどうしても表現したいというコッポラの意図が滲むし、男優陣もそれに応えていて見応えがある画面だったが、そんなに肩肘張って作り上げなくても良いんでないの?とオーバーな感じは最後まで拭えなかった。
ともあれ戦争をするのはアホなことはよく伝わってくる。という事で、アホカリプス・ナウという事なのだろう。(?)

no.2200
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