jonajona

裸のランチのjonajonaのレビュー・感想・評価

裸のランチ(1991年製作の映画)
4.0
キングオブザ変態ワールドの称号を欲しいままにせんとすクローネンバーグ監督によるバロウズのトリップ小説の映画化と見せかけたバロウズの自伝的映画。

部屋の片付けしながら流し見してたのでよく分からなかったがちゃんと見れば分かると言う映画でも無さそう。また見るけどね。気色くて最高だった。

タイプライターが君にはスパイとしての使命があるとかなんとか言うてくる。
タイプライターがどんどん変化して背中にいやらしい穴がある昆虫になったり耽美な尻のついたフェイスハガーになったりする。怖い家政婦に箒叩きみたいなんで追い立てられて窓から落ちて死ぬ尻がかわいい。落ちた瞬間タイプライターに戻るのなんか夢っぽくて好きだった。

ゴキブリの殺虫粉末剤をドラッグのように服用してトリップする妻。息を吹きかけると落ちて死ぬムカデ。みーんな食べてる拝みムカデ。ゲイの美青年から酒場で紹介された爬虫類人間。ウィリアムごっこで脳天を撃ち抜かれる女。背中の卑猥な穴から虫になったタイプライターが語る。ゴーストのろくろみたいな要領でタイピングしながらセックスする男女。盤面が裏返り肉が見えて尻になる。鳥籠の中で食われて融合する男たち。

ウィリアムテルごっこは脚色というか、心情描写の一種なんだろーなとたかを括ってみてたが特典映像のメイキングで実際にバロウズが起こした事件だったことを知り驚愕した。作中何度も反復される妻とのウィリアムテルごっこ、現実と虚構のラインをほんとに超えちゃったんだな。ぶっとんでるや。
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