三四郎

女性の戦ひの三四郎のレビュー・感想・評価

女性の戦ひ(1939年製作の映画)
3.3
伊勢丹から始まる!
『蛍の光』でも流れた「赤い花束」がこの映画でも流れてる!
ただ二葉あき子の歌声はなく、メロディのみなのが残念。

上原謙と川崎弘子という絶世の美男美女が登場するなら、観ないわけにはいかない。しかし、まさかの終わり方で、なんとも後味が悪い。
悲恋物語であってもこの終わり方は、あまりに突然過ぎて、全くスッキリしない…。
小説なら、この終幕でも良かっただろう。「働く実の娘を遠くから愛おしく見つめる実の父親」という終幕を言葉を尽くして表現することで、奥行きのある文学作品になったと思う。
…小説なら美しい悲恋物語になると想像できるということは、やはりこの映画は最後の演出が悪かったということか…。
なんだか冒頭は、伊勢丹と愉快なショップガールの科白から始まり、流れるような滑り出しだったにもかかわらず、最後は収拾がつかなくなり、「ここで終わっとくか」というような、作品に愛が感じられない乱暴な無理矢理な終わり方だった。
同じく1939年公開で、監督も同じ佐々木康(ズーさん)の『純情二重奏』のような、好き合っている者同士が結ばれるハッピーエンドが良かったな。
この『女性の戦ひ』とほぼ同じような展開だが、最終的には、令嬢が潔く身を引く。
三四郎

三四郎