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シャッター アイランドのEyesworthのレビュー・感想・評価

シャッター アイランド(2009年製作の映画)
4.7
【狂っているのは世界か?自分か?】

マーティン・スコセッシ監督×レオナルド・ディカプリオの孤島ミステリー作品。

〈あらすじ〉
ボストンの沖合に浮かぶ孤島シャッターアイランドにある精神を患った犯罪者を収容するアッシュクリフ病院。ある日、レイチェルという女性患者がその病院で姿を消してしまう。連邦保安官のテディは捜査のため島を訪れるが、彼には別の目的があった…

〈所感〉
スコセッシ初の本格的ミステリー映画。
最初から大どんでん返し映画として見るのは健全な見方ではないのかもしれないが、それを踏まえて見ても、しっかり裏切られて、おお!という展開が待ち受けているので未見の方は是非。『メメント』『カリガリ博士』に通じるものがあった、というのはヒントになってしまうので駄目か。スコセッシ作品常連のレオナルド・ディカプリオのトラウマによる精神不安な男の芝居が素晴らしい。この世は妄想か現実か?自分は健全な人間かそれともモンスターか?揺れ動く意識の波間に彼が辿り着いた真実とは…そう、この世は狂っていない。自分が狂っていたんだ。偽善のロールプレイングによって、平衡感覚を取り戻した彼は初めてその現実と向き合う。次は妄想のフィルターを取り除いて。精神分析系の作品として非常にクオリティが高い。『エクソシスト』のように2回見て楽しむ映画だと思う。
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