ろく

夏の庭 The Friendsのろくのレビュー・感想・評価

夏の庭 The Friends(1994年製作の映画)
3.5
最後の抒情派、相米慎二ウィーク③

老人に子供とそれだけでもう定型の「イイ!」になってしまうのでまともな評価はできないのよ~。そもそも「ニューシネマパラダイス」だってそうだし日本だったら「西の魔女が死んだ」もそうだよね。これは古今東西琴線に触れちゃうのよ。だから文句言えないんですよ。

相米はそもそも子供を劃くのが上手い。老人はあまり出さないはず……なんだけど今回は三国連太郎使って見事なまでの「老人子供映画」。ただ僕の中ではあまりに定型で相米の良さが少しなくなってしまったのではと思っている(相米の良さって定型を壊すことから始めるんじゃないかな)。

それでも井戸から蝶が飛び出すシーンは相米マジック。いやそんなわけないだろっていうことも平気でやっちゃう。いいじゃん。画が撮れるならってとこに1票です。ここら辺は大林宣彦の「臆面のなさ」と相通じるとこがあると思っているのは僕だけだろうか。

子どもたちは演技下手だけど、子役はそれでいいんだよって思っちゃうのも映画のずるさ。しかもしっかりデブ、メガネ、普通でそろえてくる。そこらへんはベタにいくのかと改めて。

スタンド・バイ・ミーを日本で撮ったらこうなっただけど最後の井戸だけで赦してやるよ。
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