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シンデレラのTnTのレビュー・感想・評価

シンデレラ(1899年製作の映画)
3.5
 たった6分のシンデレラ、怒涛の展開すぎるな笑。昔は技術的困難から尺が短かったんだろうけど、今ある倍速視聴やファスト映画って、ある意味で原点回帰なのでは?とはいえ、6分は筋とかの面白さではないのは確か。だって、「全20景の大夢幻劇」と銘打たれた広告があるぐらいなんだから(wikiより)。この時の”景”とはシーンのことで、その数が集客を呼べる時代だったんだなぁと。筋じゃない、欲しいのは展開なのだ。そんでもってラストカットだけはディゾルブでシーンが繋がるわけではなく、一つの舞台が解体され大団円になるというギミックもあり、流石メリエス、広告さえも出し抜くというトリック。

 画質が悪いが、メリエスは背景とか衣装に手抜かりが無いからすごい。エキストラも多い。自分のしたいことーたぶんあの時計のところとかーもやって(時計の針の精はもちろんメリエス自身!)、それでいて筋も押さえるとこ押さえている。ちゃんと基礎なんだなぁと。この系譜に近づいた後の映画作家って、フェリーニあたりなのかな。
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