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愛の奇跡/ア・チャイルド・イズ・ウェイティングのTenKasSのレビュー・感想・評価

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DVDの解説に、カサヴェテスは障碍を病気として見做すのを拒否し、子供たちの湧き出てくる行動や言葉をありのままカメラに収めようとしたのに対して、プロデューサーのスタンリー・クレイマーは彼らに対し観客の同情をかうような問題作を商業映画の枠組みの中で作ろうと編集で改竄した。的なことが書いてあった。
確かに廊下や教室での子供たちの姿、表情、躍動感は目を見張るものがあって、ジュディ・ガーランドが初めて施設を訪れるシーンなどはカメラの動き方も相まって凄く臨場感のあるものになっているように思う。子供を映したフッテージのドキュメンタリー的な感性に対して、編集や物語は完全に商業映画的な感性なのがある意味面白い。全然カサヴェテス的な感じはしないけど、映画それ自体は全然悪いものには思えなかった。普通は相対的なものであるし、人間の個々の能力なんて実を言うと大したことがないでしょ?というハッとさせられるような場面も好き。
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