MORIKO

火垂るの墓のMORIKOのレビュー・感想・評価

火垂るの墓(1988年製作の映画)
4.5
1988年か、すでに36年前の映画で小学生の時に学年で見た記憶があるけど、覚えていたようで細かいところは覚えていなかったのでもう一度観てどう思うのか知りたくなり鑑賞。
まず戦争についての映画では、最近だとオッペンハイマーが記憶に新しい。
火垂るの墓は戦争の時代を生きた2人の子供の話かつ日本目線で、高畑勲監督の映画として改めて見ると色んな凄みを感じれる。
有名な話だけどポスターの蛍と戦闘機が描かれてるってのはアイデアとして凄いなってずっと思うな。蛍ではなく火が垂れるとかいてほたると読ませるのも凄い。
「4歳と14歳で生きようと思った」というキャッチコピーも記憶に残ってたけど、もうすぐ20になる自分が14歳という時を思い返すと本当に子供で、母親を亡くした2人が健気に生きようとする姿は切なくも懸命で尊敬できる。そしてセツコの4歳って本当に小さいよな、あの歳で2人とも育ち盛りなのにすごく我慢したと思う。
セツコの痛々しい背中のところや、最期にかけて衰弱していくところは本当に心が痛くなる。
少し前にTwitterで話題になった、高畑勲が今の状況を予言しているといった物があるけど自分の周りで火垂るの墓を喋る時も清太はクズと言った話になる。もっと方法はあったはずとはいくらでも考えられるけど、世界大戦という時代は想像することしかできないし、この時代を懸命に生きようとした2人を責めれるのかとは思う。
高畑勲監督が作品の質にすごく拘っているというのは色んなドキュメンタリーで観てきたけど、後世にこうして語り継がれているのが妥協ない作品であるというのはとても嬉しいこと。テレビ放送とかもっとするべきだと思う。戦争の時代を生きた人がどんどん減っていく今だからこそ観て考えるべきだと思うな。
原作は読んだことがないので、また読んで比較してみたい。
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