Finn

月光の夏のFinnのレビュー・感想・評価

月光の夏(1993年製作の映画)
3.8
太平洋戦争末期、2人の特攻隊員が「ピアノを弾かせてほしい」と学校を訪れた。数十年後、あの時の隊員が辿った運命が明らかになる…。
実話をベースに、歴史に埋もれていた「振武寮」の存在を明らかにした同名小説の映画化作品。

小学生の夏休みに借りて観て、今でも胸に残っている作品。戦争をテーマにした作品を観るようになったのは、この作品が最初かも。
作中で特攻隊員が弾くベートーヴェンの「月光」に感銘を受けて、一生懸命練習してピアノの発表会で弾いたのが思い出です。

飛行機に片道分の燃料だけ入れて、爆弾を積んで突撃する特攻隊は、成功にしろ失敗にしろみんな亡くなってるものとばかり思っていたけど、あらゆる理由で生きて戻ってきた人もいたという事実に驚いた。
さらに、そんな戻ってきた隊員を隔離する「振武寮」という場所があり、「生きて戻ってくるなんて非国民だ」などと責められていたなんて…酷すぎて言葉も出ない。

しかもこの「振武寮」、この作品で知られるようになるまで戦後なかったことにされ忘れられていたというのが怖い。
ラストの「よく生きていてくれた」というセリフに、子供ながらに涙が出た記憶。

ちなみに欧米でKamikazeは「Reckless(無謀な、向こうみずな)」という意味で実際に使われていて、最近では自爆テロのこともKamikazeと言ったりします。悲しい。

毎年夏になると思い出す、個人的にとても印象深い作品です。
知覧には世界中の人全員行ってほしい!
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