いち麦

レアエクスポーツ 〜囚われのサンタクロース〜のいち麦のレビュー・感想・評価

4.0
「SISU シス 不死身の男」「ビッグゲーム 大統領と少年ハンター」のヤルマリ・へランダー監督作品。「レア・エクスポーツ」とは「希少輸出品」の意。(“Rare Exports” From the Land of the Original Santa Claus)
ちょっと緩めのホラー・コメディ。世間常識から大きく脱線した設定と不思議な吸引力。最後まで見せ切る画作りはへランダー監督らしい。子どもにだけは反応する“妖精”どもの生態や、子どもらを再び袋詰めにしたり…ラスト・シーケンスも笑わせてくれる。
ピエタリがサンタクロースを邪悪な魔物と信じている少年だからこそ、このアイデアと大活躍なのだろう。性悪で高圧的な親父でも認めてもらいたい子供心が健気でいじらしい。フィンランド発ならではの新解釈サンタクロース伝説だった。

《覚え書き》
少年ピエタリを演じたウィル・ポールター似のオンニ・トンミラは監督の甥っ子。彼と父親ウラノ役のヨルマ・トンミラは実の親子。
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