健一

ハウルの動く城の健一のレビュー・感想・評価

ハウルの動く城(2004年製作の映画)
4.5
金曜ロードショーにて再鑑賞。
(9年ぶりに『SHOW!』から『ショー』に戻った!嬉しい😃)
ちなみに今回が7回目の地上波放映。

本来は「ハウルの蠢く城」にしたかったらしいのだが プロデューサーに猛烈に却下されたらしい。

前々作「もののけ姫」で日本歴代興収No. 1に。前作「千と千尋の神隠し」で再びNo. 1。🇺🇸アカデミー賞も受賞し名実共に『キング・オブ・アニメーター』に君臨した宮崎駿監督が次に挑んだのが本作。相当なプレッシャーだったと思う。

本来は夏の公開予定だったが製作時のゴタゴタで当時ジブリ作品としては珍しい冬の公開。
宮崎作品の公開が延期になったのは今回が初。
その為 大規模な宣伝活動も殆ど行われずの公開だったので映画業界では『初めて宮崎作品がコケるのでは?』と不安の声が上がったほど。
しかしふたを開けてみれば 公開2日間で動員110万人 最終興収196億円と超特大ヒットを記録。
奇しくもこれを機に『大々的な宣伝活動をしなくてもジブリは客が入る。』を定着させてしまいジブリはマーケティング料を大幅カットする方向で進んでいった。

監督が今まで培(つちか)ってきた感性を爆発させたような作風。
地味な少女の壮大な冒険、魔法への憧れ、クセのある仲間達との絆、そして 反戦へのメッセージ。
ある意味『やりきった感』を感じてしまい当時は『これで引退するのでは?』と本気で思ってしまった。

主人公の少女が おばあちゃんになってしまい 当然若い頃のように活発に動く事が困難になる設定なのに 彼女を囲む周りの個性的な多くのキャラクター達がおばあちゃんを支え それにより物語の失速を食い止めていて高揚感途切れる事なく話が進んでいくところが何より本作の素晴らしいところ。
監督が久石譲に『今回はワルツ調で頼む!』と事前に依頼して出来上がった音楽も実に素晴らしい。
全てにおいてかなり完成度の高い作品。

今回 何度目の再鑑賞か覚えていないが 歳を重ね 見返すたびに深みが増してくる作品。
それも狙って本作を作っているのだとしたら やはり宮崎駿監督という人は本当の天才なのかもしれない。


劇場公開時 2004年12月
浅草東宝
💺575
客入り 10人いない。

今でも鮮明に覚えているが超話題作なのに浅草では信じられないくらいガラガラだった。
理由は色々あって 私もそれを狙って浅草で見たのだが、ここまでガラガラだったとは。
健一

健一