【第55回アカデミー賞 主演女優賞・助演女優賞ノミネート】
悲劇的な運命を辿った実在の女優フランシス・ファーマーの伝記映画。アカデミー賞では主演女優賞(ジェシカ・ラング)と助演女優賞(キム・スタンレー)にノミネートされた。
多少演出が冗長な部分があるが、当時のハリウッドをよく再現しておりなかなかよかった。ジェシカ・ラングがフランシス役を上手く演じている。
田舎から出てきたフランシスは舞台女優志望だったが、図らずも初出演の『大自然の凱歌』でハリウッドスターになってしまう。しかし上層部に反抗的な態度をとったため潰されてく…
ジェシカ・ラングが女優フランシス役を体現している。ファッションもその美貌もパーフェクト。当時の優雅で華やかな風俗をみているだけで満ち足りた気分になる。
ロボトミー手術など史実からはかなり脚色されているというが、悲劇的な人生だったのは事実。才能と美貌がありながら、力を持った男とメディアに潰されていく様をみるのは非常に辛い。
『ジュディ 虹の彼方に』もそうだったよね。一番連想したのはジュディ・ガーランド。メディアの暴力性、当時の男社会というハリウッドの闇を描いていて心苦しい。
間延びしているのが気にならなくもないが、ジェシカ・ラングの自然な存在感と美術、衣装が素晴らしい。なかなかの良作。