ハレルヤ

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳のハレルヤのレビュー・感想・評価

3.7
娘を殺した犯人に復讐を果たした新島。生きる目的を失った彼が、昔の同級生岩松と再会し、彼から殺人のビジネスへと誘われる。そのまま暴力の世界へと引き込まれそうな自分と葛藤するサスペンス映画。

黒沢清監督で哀川翔主演の「蛇の道」の続編っぽい作品。繋がっていると言えば繋がってるし、繋がっていないと言えば繋がっていない(笑)復讐を終えた男が暴力への道を進み、自分を見失っていく姿を描いたもので、前作に引き続き哀川翔が無機質な主人公新島を好演。

淡々と殺しを遂行する新島。その一方で仲間たちの間にも不協和音が響き始め、徐々に破滅へと向かっていく。娘を失った時助け合った妻との関係も冷えていき、ラストの食事の場面では静かながらも衝撃的。監督の代表作「CURE キュア」を彷彿するものでした。

見てて疲れる内容ですが、所々織り込まれるシュールな笑いも監督の味が表れていたと感じます。万人受けはしませんが、センスの塊だと思わせてくれる一作。
ハレルヤ

ハレルヤ