ピッツア橋本

歓びを歌にのせてのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

歓びを歌にのせて(2004年製作の映画)
5.0
"みんなの歌で命が重なる"

疲労困憊で休養するため、かつての故郷に戻ってきた有名オーケストラ指揮者が、村人たちの説得で彼ら聖歌隊の指導をする事から始まるヒューマンドラマ。

映画コメンテーターLylicoが"今日思いつく"生涯ベスト1位に挙げていたので鑑賞。

彼女が疲れ切っていた35歳の時にこれを見て人生観変わったと言っていた意味に凄く納得する内容。

どんなに長年戻っていなくても故郷には人生の答え、自分が本当にやりたかった事の真意があるものだ。

最高のキャリアを務めたはずの主人公が、素朴な村人たちによる聖歌隊の歌声に引き寄せられ、彼らと手を取り合って歌と音楽を紡いでいく姿が実に美しい。

そして同時に痛みも襲ってくる。聖歌隊の面々はみんな何かしらの闇を抱えた大人たち。
主人公が純粋で情熱的に聖歌隊と寄り添っていくたびに、それを外野が冷ややかな目、嫌がらせをしてくる。

特にメインボーカルの女性が印象的。二児の母で夫のDVに悩まされている。
後半で夫に投げかけるセリフを聞いた瞬間、涙が止まらなかった。愛と真理が織り混ざった大人の金言だった。

ラストは見た目的にはハッピーエンドとはいえないかもしれない。でも主人公は間違いなく彼の理想と原点に辿り着いたはずだ。
ひとりの大人として長年答えが出なかったものにしっかりと向き合い、届いたはずなのだ。

本当に観て良かった映画。ありがとうカートマン!じゃなかったLylico姐さん😭
ピッツア橋本

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