Pam

東京ゴッドファーザーズのPamのレビュー・感想・評価

東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)
4.5
2回め鑑賞。

最初はフランスの図書館で借りてみた。2回目はNetflix で。日本のマイノリティをこういう形で描いてくれたこと今は亡き今敏監督に感謝。日本にはこういう作品が埋もれているのか。Netflixありがとう。

すべてが良い。最初、クリスマスイブのホームレスのためのキリスト教救済ミサから始まる。配食目当てのホームレスがふたり。これだけで海外向きだなってピンとくるよね。

詳細に描かれた東京。非キリスト教国日本でのキリスト教はどこかきまじめで、どこか浮く。それをうまく描いている。色物のオカマが見事にこのドラマを明るく誇張ながらも見やすい作品にしている。ありえない偶然がそれでも心地いい。

3人のホームレスが雪の降るクリスマスイブに見つけた捨て子を巡るドタバタ劇。貧困、ホームレス狩り、家出少女、肥満、無関心、街をいろどる無機質な広告、(広告の意味がわかる日本語話者には余計その言葉が虚しい)家庭とはの問い、・・

いわゆる説明が画面を読み取ることでわかるのもこの映画の特徴。しっかり読まないと流れがつかめなくなる。

このみゆきちゃんが性的に搾取されないことが本当のことを言うと私は安心できた。スマホ普及前夜の日本の価値観。日本は変わらない。20年前なんだけどインフラはかわってない。やはり日本は2000年前後が文化的に頂点だったのかもしれないと思わせることも今見ると虚しい。
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