♪ 愛のままに わがままに
僕は君だけを 傷つけない
心の余裕が大切なラブコメでした。
何しろ、本作の主人公二人はリア充。
男は自分がモテると自覚しているし、女も男を手玉にとれると思っているのです。ははは。何様だ。
でもねえ。それが面白いんですよ。
二人とも打算の塊だから、自分の仕事のために“恋愛ごっこ”をするんです。
片や、10日間で恋人を作らないといけない。
片や、10日間で嫌われないといけない。
つまり、一方的な矢印が男女の間に生まれるんですね。
だから、ヒドイ話が積み重なるのは確実。
彼らに共感できないほうが、なんの躊躇もなく笑えるのです。
って僕はヒドイ奴でしょうか。
リア充死ねと思っている暗い奴でしょうか。
しかし、コメディで大切なのはニタニタと笑えること。そういう意味では、本作は間違いなく傑作ですよ。だから頭を空っぽにして笑えば良いのです。ぬはは。
ただねえ。やっぱりねえ。
考えてみれば、暗い部屋で一人、目を輝かせて口の隅に泡を溜めている姿は…微妙ですねえ。家族にすらも見せられない姿であるのは…確実ですねえ。
まあ、そんなわけで。
ちょっと変化球気味のラブコメ。
打算が恋に変わる瞬間…それを見逃さないようにするのが楽しむ秘訣だと思います。
勿論、恋愛に純な感情を抱く向きは立入厳禁。
キラキラとした装飾で誤魔化していますが、中身はドロドロですからね。既に枯れた身ならば他人事として笑えますが、当事者は“しんどい”だけだと思います。
特にヒロインの描写はかなり微妙。
ケイト・ハドソンはラブコメ界で一世風靡した女優さんですが、本作だけで述べるならば、その魅力が十分に伝わったとは思えず。
彼女に対して最初から良い印象を抱いていれば話は別なんですが、先入観を抱かずに捉えると、ただの意地悪な女性。逆にマシュー・マコノヒーが爽やかすぎるんですよねえ。あれは反則だよなあ。