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金色の眼の女のこぅのレビュー・感想・評価

金色の眼の女(1961年製作の映画)
4.2
'20 7/27 ジャケ写掲載ありがとうございました。

4作しか撮っていないジャン=ガブリエル・アルビコッコ監督デヴュー作で、バルザックの小説「十三組物語」中の1エピソードを現代的にアレンジして映画化した【ラブ・ストーリー】。
脚本は、【冒険者たち】のピエール・ペルグリ。


写真家のアンリ(ポール・ゲール)は、モデルのカティス(フランソワーズ・ドルレアック)を遊び仲間にかどわせて、彼女が自分のものになるか否かで仲間と賭けをするような、思い上がり鼻持ちならぬドン・ファンだった。
彼には出版社を経営する独身のエレオノール(フランソワーズ・プレヴォー)という10年来の女友達がいた。
ある日、アンリは、自分の車に間違えて乗り込んでいる一人の美しい娘(マリー・ラフォレ)と出会う。
逃げて行く彼女に「今夜7時半にリヨン駅で」と
書いた名刺を持たせていたが、その夜、アンリは遅れた…。


冒頭からタバコの煙、陰影の炸裂、スタジオの逆光、暖炉のメラメラ灯火、曇り空等全編に溢れる【耽美映像】の宝庫。
人物のアップが多く、表情を捉えているのも特徴的。

モノクロ撮影も手伝いマリー・ラフォレ(ハタチ)を【太陽がいっぱい】以上に笑顔泣き顔をこの上なく美しく捉えている(ラストの表情も)。

最後まで名無しだった謎の女という設定、終盤の人脈、後半の展開は、ラブ・サスペンスと言っても差し支えない。これは【愛憎】だ。

大した話では無いと言えばそれまでだが、やはり【料理の仕方】要するに料理人が違うと違うんだな。

突然のフランス映画らしい幕切れ、、
その結末は捉え方によって【彼女は…】というのも面白い。

一々説明し過ぎ親切映画にはゲンナリするが、本作は良い意味で不親切系で良い。


*カトリーヌ姉【フランソワーズ・ドルレアック】は端役で印象薄かったのは残念。

*寂しげなクラシックギターの劇伴は、【禁じられた遊び】のギタリスト、ナルシソ・イエペス。

https://youtu.be/oZQXR4ssgQY
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