役所広司×黒沢清という最強のタッグなのが気になって見てみた。
14歳で交通事故に遭い、10年間眠り続けて入院してた、西島秀俊演じる豊が失った10年間とバラバラになっていた家族を元に戻そうとする話。
なんか不思議な映画やったな。黒沢監督っぽさが滲み出た作品やった。今の映画は音楽がどのシーンでも流れてるくらい重要な要素になってるけど、黒沢監督の作品は現場音且つ長回しが特徴的。とくに中盤の豊と藤森が夜中に廊下を1回もすれ違わずに行き来するシーンが黒沢監督らしさが一番出てた。藤森さんいい人やったな。
作中の豊は積み上げたものとか作ったものを壊したりして、破壊と創造を繰り返してたけど、最終的に積み上げたもので呆気なく終わってしまうのが切ないね…
タイトルの『ニンゲン合格』に関しては、そもそも人間に合格も不合格もあるのか?とか考えてしまうけど、自分の中で1番人間らしかったのは、大杉漣さんの役かな。「10年を失ったのは君だけじゃない」ていうセリフが泣ける…