KnightsofOdessa

最後の演技のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

最後の演技(1929年製作の映画)
2.5
[奇術師最後のパフォーマンス] 50点

ハリウッド時代三作目。前作『ブロードウェイ』と同じく撮影監督はハル・モーアが担当している。弟子に惚れた奇術師が野心的な別の弟子をぶっ殺して恋敵に罪を着せる話。こっちはロン・チェイニーが主演やってても驚かないくらいの手堅い破滅型サイレント映画である。この二作はこの順番で合ってるのかは微妙だが、ハル・モーアが肩ブン回して張り切っているのは伝わってくる。冒頭のパフォーマンスでは、箱から消えた助手の行方に関してロイヤルボックス席との観客と睨み合う切り返しがあり、この時代の露光のために死ぬほど電球を当てるカメラに顔が極限まで近付く。最早、恐怖。弟子の殺害シーンでは、死体にどよめく観客を俯瞰で撮りながら舞台上の主人公へと近付いていくのをワンテイクで収めている。それだけっちゃそれだけ。
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