囚人13号

ファントムの囚人13号のレビュー・感想・評価

ファントム(1922年製作の映画)
3.7
自分を天才詩人と思い込んで知らん女に貢ぎまくり、犯罪に巻き込まれていく不憫な主人公。完全にパパ活被害者みたいな顔してんのも得点高いです。

表現主義の特色である妄想や影、その契機となる謎めいた馬車など画面が賑わってる。螺旋階段から、このイミフなズームアウトに繋がっていくのも『カリガリ博士』には見られないキャメラのアクティブさが素晴らしいが、欲を言うともう少し家の倒壊みたいな映像演出を見せてほしかった。

妄想≒夢が現実に影響を及ぼすフロイト的な精神思考を汲み取りつつ、映画は狂った主人公の主観で展開するためその偏差を往来する度に世界が二重化される。原作読みてーけど絶対邦訳されてないよな。
囚人13号

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