ふぇいるくん

サルバドル/遥かなる日々のふぇいるくんのレビュー・感想・評価

サルバドル/遥かなる日々(1986年製作の映画)
3.9
インテリに好まれる反戦映画というものが、イデオロギーの代弁者とみなされ去勢されてしまう脆弱さを孕むのに対して、肉体派O・ストーンは力任せに戦争の狂気と残酷を観客に突きつけてくるわけです。

結果、腐乱死体も射殺死体も暴行陵虐も全て見せます。
右も左のへったくれもなく、馬も子供もみんな死にます。
反戦どころではない吐き気を催す「厭戦映画」の出来上がり。

「戦場で戦ったことも無い頭でっかちが戦争を語るな!」
という、右にも左にもまとめて喧嘩を売るストーン節は、
まるで赤ら顔でステーキ頬張る中小企業の親父から受ける説教のごとくギトギトしていますが、戦争なんて絶対ごめんだ!という普遍的真理が骨の髄まで叩き込まれます。