健一

パリは燃えているかの健一のレビュー・感想・評価

パリは燃えているか(1966年製作の映画)
3.7
『はい! 燃えていると言うか 赤く荒廃しております!』🪖

本作のタイトルを今になって耳にすると
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」のオープニングが真っ先に頭に浮かぶ。

BSで放送していたので録画して鑑賞。

ずっと前から見たかった作品。
いつか近所のTSUTAYAが潰れる前にレンタルしておこう。と思い続けて早10年。😅
思いがけずNHK-BSでやってくれたので これを機に鑑賞。感謝します。
ちなみに
近所のTSUTAYAはギリギリまだ生き残ってます。😅

ルネ・クレマン監督がアメリカ🇺🇸と組んだ戦争大作。
アラン・ドロン、ジャン=ポール・ベルモンド、オーソン・ウェルズにカーク・ダグラスと。
ものすごい俳優たちを ものすごい贅沢に使った 173分のモノクロ大作。
脚本のひとりがフランシス・フォード・コッポラだと今回知って またビックリ。😵

1944年。
フランス🇫🇷のレジスタンスがアメリカ軍の援護を受けて フランスの首都『パリの解放』に至るまでを描いた重圧な人間ドラマ。

今回 私が見たバージョンは フランス人もドイツ人も英語を喋っていていきなり違和感。
母国語をちゃんと話しているバージョンもあるのかな?

随所に当時の『実写フィルム』が挟み込まれており臨場感がより増す効果的な手法はお見事。

豪華スター共演ばかりが注目されがちな本作だが、最大の見どころは『誰がパリの街を救った最大の功労者だったのか?』という点を明確に描いている所に一番好感が持てた。

本作は主にナチスの占領下にあったパリをレジスタンスがアメリカを始めとする連合軍の協力を得ながら『パリ解放』へと導くもの。
ヒトラーはパリが連合軍に奪回されそうになった時『街全体を爆破せよ』と軍司令官の将軍に命じていた。
しかし将軍は『ヒトラーの狂気』に一抹の不安をおぼえるようになっていく。
そして 愚かな『パリ破壊作戦』の中止を決意する。
本作はフランスをはじめヨーロッパの人々の『憎悪の的』であるナチスの将軍がパリを救った大功労者である事を 包み隠さず 描いていて そこが素晴らしい。
もし本作がナチスを単なる『侵略者』としてしか描かなかったら この作品はこんなに高く評価されていなかったのかも?

そしてヒトラーは 電話越しに叫ぶ!

『パリは燃えているか?、燃えているのか!💢』

『IS PARIS BURNING ?』 (原題)

そう。

本作のタイトルは「パリは燃えているか」
というより
『パリは燃えているか?』
のほうが正しい。 のかも? 😅
健一

健一