ポンコツ娘萌え萌え同盟

乾いた人生のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

乾いた人生(1963年製作の映画)
3.6
ちょっとうるさいくらい鳴り響くあの車輪の軋む音が耳から離れなくってしまった…。
最初の殺風景な風景の世界に現れた一家を軸にした本作は、難民生活の貧困を映した。
しかしいくら雨が降って潤ったりこの土地の生活をしたところで、地獄のように太陽を照りつける乾いた土地ではでは、人も心も全て干からび上がっていく。

地獄について子供が関心を持つ場面があるけれど、惨めな生活をし、罪もないのに地獄と大差のない世界で表出されるのはただただ生きること。
感動といった要素は一切なく、警官からの理不尽な罰など陰鬱的な場面が多い本作だからこそある意味説得力を感じる。
そしてそれは人間どころか動物だってそうだし、特に本作に出てくる犬のバレリアの演技が素晴らしかった。
特に終盤の場面は虚しくも哀しいけれど本気で名演だと感じる。

それにしても祭りの中の村?の人々の表情の映したあとに、投獄されてるパパの表情が妙に記憶に残る。
暗い場面の光の使い方とか度々映る空の描写で映像はそこそこ見応えあった。