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地獄の戦場のmhのレビュー・感想・評価

地獄の戦場(1950年製作の映画)
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前半は太平洋戦線に参加する部隊の群像劇。
後半は日本軍のロケットミサイル発射基地を探すミステリー。
島への上陸戦をかなり詳しくやってくれてるのがレアだった。もっとも「ビーチレッド戦記」とか「プライベートライアン」にはかなわないけど。
情報を聞き出したいから生け捕りにしろといってるのに、ものすごい火力で抵抗する日本兵を皆殺しにする。
日本憎しで暴走するアメリカ兵と、極悪じゃない日本人捕虜がいて、どっちも等しく死んでゆく不思議なバランス。
日本人捕虜がナイフを手に入れる→そのナイフは自決のために用いるプロットは、いつなんどきでもハッとするね。「エンド・オブ・オール・ウォーズ」にもあったけど、ほかにもあるなら見てみたい。
反戦メッセージがありそうなんだけど、作られた年(朝鮮戦争真っ最中)を考えると、反戦のスタンスってありえるのかな?
監督は反戦映画の金字塔「西部戦線異常なし」のルイスマイルストンだけど、ハリウッドに居着いてからはかなりひどいプロパガンダ映画も手がけてるので、正しいところがわからない。
「十字砲火(1947)」みたくヘイトクライムは死に値するみたいな大げさなメッセージというよりも、ヘイトクライムにとりつかれるとおかしくなるから気をつけようみたいなことかも。
「日本人は(生と死を)逆転させるのだ」(死を価値あるものと考えるという意味)→「本来配置するべき向こう斜面ではなく、手前の斜面だ!」でミステリーが解けるくだりは笑ってしまった。
蒸留器のくだりも謎だった。わざわざ持ってきた蒸留器で作るのは酒じゃなくて、やっぱ水なんだよな。
コメディ担当のキャラが戦場で水飲みたいとか、そんなキャラ造形は斜め上でしょ。
なんだかんだで面白いのはさすが戦争映画の神といったところかね。
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