かすとり体力

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンのかすとり体力のレビュー・感想・評価

3.7
スピルバーグ監督作品かつ評判も高いというところで、ちょっと期待値を上げすぎてしまったきらいはあるが、それを差っ引くと面白かった。

スピルバーグ監督ってやっぱエンタメ作家で、抽象的な事物よりも具体の世界をめっちゃくちゃ楽しく描くことが得意なように感じていて、そういう意味で本作でもフランクが詐欺師として成り上がる始めるところの描き方が最高だった。成り上がっていくための「作業」のレベルまでがちゃんと見えてくるんだよな。

そしてただそれだけの面白さで終わるではなく、カールとフランクの追いかけ追いかけられながらの心の交流という構成にもっていくところ、やっぱお上手ですわね。

また、若干映画から脱線するが、昨今のVUCAの時代、我々皆にとってフランクのような生き方が必要な気がした。
(当たり前だが詐欺をしたほうが良いという話ではなく)

目指すゴールに向けて情報収集をする。
繊細かつ大胆に動く。
上手くいかなければ考えて、工夫し、改善する。
そしてまた繊細かつ大胆に動く。
動く。動き続ける。

これ、昨今のビジネス文脈で求められる動きそのものやんけ。

という意味で、特に現代ではビジネス映画としても機能する作品のようにも感じました。
かすとり体力

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