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薔薇の葬列の科のネタバレレビュー・内容・結末

薔薇の葬列(1969年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

すごい……

境界の曖昧さ、この時代の混沌さをモノクロながら彩り豊かに描いていてすごいなとしか言いようがない

エディプスコンプレックスの描き方に圧倒される。苦しい…けど美しいな…

"映画に登場するゲイボーイたちは、俳優ではなくすべて素人のゲイボーイが起用された。"とあるけれど、インタビュー部分が私の中では一番印象的だった。ゲイボーイになる動機とか「ゲイボーイになって幸せでないのに、なぜ?」という質問の節々が鋭く突き刺さってきた。そうじゃあないんだよ、と思いつつも回答者の存在があることに救われた。し、この時代に正面から訊く姿勢もすごいなあと思った。(今の方が歪んでいるのかもしれない)

コントラストとしての早回し等コメディ部分の明るい演出が可愛らしくてこれも良いなと思った
髪型、服装もあって竹久夢二・中原淳一・内藤ルネを彷彿とさせる雰囲気が流れてて(特に3人組)美しい〜。

淀川長治の使い方が見事でおもしろすぎる、良い味出してる

ピーターがこの時16歳だったことに驚く。それより大人にも、幼くも見える だけどインタビューシーンの受け答えは16歳のそれとは信じられない

いやほんと、すごいなあ、日本から出なかったら出合ってなかったかもしれないと思うと恐ろしい このタイミングで出合えて良かった。
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