このレビューはネタバレを含みます
号泣する。
そもそもの浅田次郎の小説が読者をいかに号泣させるかと言う実験の為に書いたのでは、と思えるほどの仕上がりで、
その下級武士の悲哀を中井貴一の一つ一つ抑制を効かせつつ鬼気迫る演技で際立たせており、今思い出しても泣く。
他に佐藤浩一、三宅裕司が脇を固める、この2人がまた、中井の演技をきちんと引き立てていて、適宜出力をコントロール出来るベテラン俳優の凄味を存分に味わえる。誰が1人がフルスロットルで突出しているのでは無い全体の黄金率の存在を感じさせる。
明らかに泣かせにかかっているストーリーでまんまと泣きながら原作の浅田次郎にむかつく、最後は少し良い感じにしていたが、そんなものでは贖えない程泣いた。