死の淵に立たされている考古学者(ボリス・カーロフ)が、エジプトの秘宝・月光石の力を利用して不老不死になろうとする。発掘された神秘の石をめぐる争奪戦を描いている、イギリス産のサスペンス・ホラー。初期ゾンビ映画としてもカウントされている。
エジプトの考古学者が「私は生き返るぞー!」という奇妙な遺言を残して死んだものだから、周囲の人間たちが戦々恐々。学者の狂言じみたメッセージが具象化するまでの過程を、ゴシック・ホラーの路線で描いていく。
ボリス・カーロフが死去すると、遠方にいた甥と姪が実質的な主人公として活動を開始。お喋り好きなメイド、月光石の行方を探るアラブの男、邪教の存在を許さない牧師、遺言を聞き届けた使用人が、学者の邸宅で腹の探り合いを演じていく。
ゾンビ要素では、死んだはずの学者が生き返り、周囲の人々を襲い始めるという展開が用意されている。ボリス・カーロフの顔芸が非常に素晴らしいけれども、残念ながら「学者脳」のキチガイぶりを楽しむ方向性にはなっていない。