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幸福な結婚記念日のtakのレビュー・感想・評価

幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)
3.8
ピエール・エテックスの短編第2作。前作「破局」のコントのような一人芸とは違って、映画として映える仕掛けがいっぱい。

結婚記念日を夫婦で祝うために帰路につく夫。ところが大渋滞で車は一寸ずり(方言ですみません💧)、さらに路上駐車のトラブルに巻き込まれ、なかなか家に帰りつかない。待ちくたびれた妻は料理をつまみ食い。果たして二人は無事に記念日を祝うことができるのか?

わずか13分の短尺。次に何が起こるかワクワクさせるエピソードが詰め込まれて、楽しい楽しい。前作同様にエテックス自身は台詞も少なめで、誰にも伝わるギャグや描写を織り込んでくる。

渋滞場面ではいかにクルマが動かないのかを、車中の仕事や洗車、路上の吸い殻で表現。ジャック・タチとのつながりを念頭に観てしまう映画ファンには、「トラフィック」とイメージが重なってくる。モータリゼーションの皮肉な笑い。

そして脇役まで笑わせてくれる。路上駐車から端を発して散々な目に遭う床屋の客がとにかくかわいそう🤣。そして物を言わぬラストシーン。散々な記念日ではあるのだけれど、なぜかほっこりした気持ちになる。子供に見せても、この面白さは伝わるだろな。

長編にも挑んでみよう。楽しみっ。
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