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二十歳の恋のsonozyのレビュー・感想・評価

二十歳の恋(1962年製作の映画)
3.5
1962年にフランスで制作された、5カ国の5人の監督によるオムニバス。
監督それぞれが捉えた「二十歳の恋」。
各話のつなぎに、ジョルジュ・ドルリューによるテーマソングとアンリ・カルティエ=ブレッソンによるカップルの写真が使われているのも良い。

1. フランソワ・トリュフォー(フランス)
アントワーヌ・ドワネル(ジャン=ピエール・レオ)シリーズ2作目。『アントワーヌとコレット』として別データにあります。友人と行ったクラシックのコンサートで美しい少女コレット(マリー=フランス・ピジェ)に出会い夢中に。何度かデートに持ち込むものの恋人未満な態度のコレット。コレットの一家の住むアパルトマンの向かいに引っ越しし(笑)彼女の両親からも気に入られるアントワーヌだが。。
全篇に漂う可笑しみ。彼がレコード会社で働くシーンも面白い。

2. アンジェイ・ワイダ(ポーランド)
動物園の檻の前でキスするカップル(パーシャと彼氏)。小さな女の子がシロクマのいるエリアに落下してしまい泣き叫ぶ母の声。パーシャ(バルバラ・ラス)は彼氏が助けようともせず写真を撮っているのに呆れていると、動物園で働く男(ズビグニエフ・チブルスキー)が飛び降り、なんとか助け出すのを手伝い、そのまま男を家に誘い・・
その後、英雄に会わせろとバシアの友人たちが次々にやってくる。やがて、男が退役軍人としての話をすると・・後半に一転して若者の気まぐれさや暴力性と男のトラウマが描かれるのが印象的。

3. レンツォ・ロッセリーニ(イタリア ※ロベルト・ロッセリーニの息子)
若いクリスティーナ(クリスティナ・ガローニ)と浮気しているレオナルド(ジェロニモ・メニエル)は、富豪の美人妻ヴァレンティーナ(エレオノラ・ロッシ=ドラゴ)に別れを切り出す。ヴァレンティーナはクリスティーナに会いに行く。
やはり美人妻さん、一枚上手なのでした。笑

4.石原慎太郎(日本)
町工場で働く浩(古畑弘二)は、職場で自身の二十歳の誕生日を思い出すが、祝おうとする同僚に祝うべきことはないと返す陰のある青年。
通勤の途中いつも見かける美しい少女(田村奈巳)に思いを寄せているが、それはやがて狂気へと・・5作の中で一番暗い世界。

5.マルセル・オフュルス(ドイツ ※マックス・オフュルスの息子)
世界を飛び回っているフォトジャーナリストのトニオ(クリスチャン・デーメリル)は、出張先のシンガポールから帰国し、出産し入院中の彼女ウルズラ(バーバラ・フレイ)を訪ねる。世界各地に女がいそうなトニオは、まだウルズラと結婚するつもりなのか分からないが、子供の認知の書類は持参しており・・・
トニオをちゃんとさせようとする?病院の看護婦さんの態度が面白い。

※ここにあるジャケ写はトリュフォーのDVD-BOXですね。
本作はこちらなどで。
https://www.unifrance.org/film/940/l-amour-a-vingt-ans
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