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ティファニーで朝食を 4Kの櫻子の勝手にシネマのレビュー・感想・評価

ティファニーで朝食を 4K(1961年製作の映画)
5.0
名作中の名作なので下手なレビューは控えたい。
ここでは主にファッションと主人公ホリーについてレビューしていくので興味の無い方は読むのを止めましょう(笑)

本作で一番有名なシーンと言えば、やはりあのオープニングだろう。
ドレスアップしたヘップバーンが、ティファニーのショーウィンドウの前でデニッシュをかじる、あまりにも有名なシーンだ。
高い位置でふんわりとまとめられたシニョンヘアに、大ぶりなパールのチョーカー、パールのイヤリング、サングラス、リトルブラックドレスに手袋…という小悪魔的なファッションに身を包んだコールガールのホリー(オードリー・ヘプバーン)。
バンビのような華奢な身体と、コケティッシュな魅力を持つ彼女だからこそ醸し出せるイメージだろう。

次々と代わるゴージャスなドレスや可愛らしい小物、帽子、靴、バッグなど、ホリーが身につける物は全てお洒落でセンスが良いのだが、特にホリーが寝る時に付けるアイマスクとイヤープラグがめちゃくちゃ可愛いかった。
今すぐ真似したいくらい(笑)
1961年に製作された映画にも関わらず、何から何までホントにお洒落で観ているだけでも気分爆上がりであるw

本作のアイコンともいうべきオードリーのリトルブラックドレスは、フランスの伝説的デザイナー、ユベール・ド・ジバンシィの手によるもの。
オードリーとジバンシィの関わりは長く、『麗しのサブリナ』『パリの恋人』『昼下がりの情事』『シャレード』『パリで一緒に』『おしゃれ泥棒』など、数多くの作品の衣装を手掛けた。

作曲家ヘンリー・マンシーニが手掛けたテーマ曲『ムーン・リバー』の存在も非常に大きい。
人気のない早朝のニューヨーク5番街で、ジバンシィのリトルブラックドレスに身を包んだオードリーがティファニー本店の前に降り立ち『ムーン・リバー』の甘く切ないメロディが流れるシーンはとても印象的。
アパートの非常階段でオードリーが『ムーン・リバー』を弾き語りするシーンも最高だ。

個人的には、主人公ホリーの“所有しない生き方”に憧れる。
ホリーは度々「所有すること」の恐ろしさを口にする。
本作の名セリフに「所有したくないの。所有した物と暮らしていける場所を所有できるまでは」というセリフがある。
文字通りホリーは何も所有していない。
アパートも猫も男性も、ホリーは自分の物とは思っていない。
彼女の名刺には『旅行中』と書いてある。
自分の夢が叶うまで自分の意思を貫くという信念の強さにとても惹かれる。

そんなホリーは、心躍るティファニーのようなところに住みたいと言う。
『ティファニーで朝食を』というフレーズは、きっとホリーの夢を言語化したものなのだろう。