映画大好きそーやさん

ナルヴィックのヘアパーラーの映画大好きそーやさんのレビュー・感想・評価

3.0
実話に基づく、曲げない信念の物語。
本作は、第二次世界大戦の真っ只中、夢をもつ17歳のアナが、過酷な日常をどう生き抜いていくかを描いた作品でした。
まず一際目を引くパステル調の淡いルックは、戦争を描く作品ながら画面を重くし過ぎず、とても観やすくしていたと思います。
アニメーション的飛躍を随所に用意していたのも印象的で、宇宙空間のような背景が広がってその中を漂う描写は、視覚的にも楽しめました。(宇宙空間的描写以外にも観られていたら、もっと高く評価していたと思います)
実話に基づく内容であるため仕方ないのかもしれませんが、作劇的な裏切りや盛り上がりが特になかったのは残念でした。
それでも、戦時下という、我を出すことを憚られるような状況下であっても、最後には信念を曲げずに突き進んだアナの姿に、あれはダメ、これはダメと決め付けて諦めることも多い自分は勇気をもらえた気がします。
1つ分からなかった点として、ハーケンクロイツのバッジを付けている女性のロングヘアを、勝手にショートヘアに切ってしまったのはどういった心境だったのでしょうか?
あそこが起点となって、もう1度信念のもと生きることを選んだと思うのですが、その辺りの背景はあまり物語上で語られることもなかったため、どうにも理解しづらかったです。
戦争がすぐそばにあることを自覚して、行動することの大切さを思い起こしたのでしょうか?
ぜひこのシーンの解釈については皆さんの意見を聞いてみたいです。
観た方がいましたら、自分の解釈をコメント欄に書き込んでもらえると嬉しいです。
総じて、曲げない信念を説いた、テンポもよくルック的にも観やすい作品でした!