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π〈パイ〉 デジタルリマスターのNoiseのレビュー・感想・評価

4.3
自分でスーパーコンピューターを組み、日々株価予想をしていた天才数学者のマックス・コーエン。彼は、世の中の全ての事象には法則があって、全て数字に置き換え数式で説明できると思っている。彼は、数字に並々ならない執着を見せる。
そんなある時マックスが組んだスーパーコンピューターが216桁の数字を吐き出し、その数字の法則を探ろうとのめり込んでいくのだが、やがて数字に囚われ現実なのか妄想なのか区別がつかない狭間で、もがき苦しむこととなる。だが、そんな中マックスは、216桁の数字からある種の法則があることに気付き始めるのだが.....謎の組織から狙われ、マックス自身の身体にも異変が生じ始める。
果たして216桁の数字の意味とは?
そして、マックスは、何を選択して何を得るのか?

「ブラックスワン」、「ザ・ホエール」の監督ダーレン・アロノフスキーのデビュー作で1998年に制作された作品。
低予算(6万ドル)、モノクロ、難解なストーリーでありながら今観ても色褪せない魅力を放った本作を、A24がデジタルリマスター版として再上映。アメリカでは、8k・アトモスレストア版をIMAXで上映するという、とんでもなく贅沢なものまであったみたいで、羨ましい限りです。

白黒で明暗のハッキリした映像、ゴチャゴチャの部屋、狂気と紙一重の主人公、頭痛、意味深な数字の羅列、碁盤の目、いかにもな登場人物達、ブレブレのカメラ、スピード感のあるテクノ/エレクトロニカ系音楽、これらが一つの作品の中で混ざり合った時にえもいわれぬ気持ちの良さ、一種のトリップ感みたいなのを味わう事ができます。そして、観終わった直後にまた観たくなる中毒性、まるである種の薬のような映画。
なので、そうやすやすと人にお勧めできないし、したくない映画です👍
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