Paula

殺人鬼の存在証明のPaulaのレビュー・感想・評価

殺人鬼の存在証明(2021年製作の映画)
3.0
“A murderer is tied to their
victim’s body and they’re left
to rot alive.”
古代ローマも借用したとされる古代エトルリアの懲罰方法... 
鬼畜にも劣る殺人行為の残虐性を例えて言うなら捜査官を含めた英雄とされる者がいつの間にか表裏一体の悪役の立場になってしまうメタファーとして、殺人のでっち上げが、強かん、拷問、殺人と一体と成る時、その関連性を模倣することへのシニカルに語る代弁者として緊張感あふれるネオノワールの心理スリラー映画の存在であるのかもしれない。

        "CYKA"
この言葉、女性蔑視というよりも人ではない人に使われる言葉ですが、映画で印象に残る場面で使われていたので敢えて載せました。お許しを⁉

非線形物語(Nonlinear Narrative)で語られる本作は二つのシーケンスから成るとするなら、あるシーケンスではトビー・フーパー監督の『テキサス・チェーンソー虐殺 』(1974年)で始まり、一方で刑務所での尋問の様子は『羊たちの沈黙』( 1991年)となり連続殺人犯の捜査に新たな系統的なプロフェッショナリズムの導入をし犯人を追跡しながら、現実の犯罪を解決するフーダニット(whodunit)的ぃ~な、スリルへと導くフィンチャーの『ゾディアック』(2007年)と同様に2017年から始まった同監督によるテレビシリーズ『マインドハンター』へと本作はあたかも追随し連携しているようにも見えてしまう。
『ゾディアック』が焦燥感を通り越した不安感だけが残った映画に対して、同じ未解決事件を描いているのに世の中の割り切れない矛盾への怒りを覚えるポン・ジュノ監督が描く初期の作品『殺人の追憶』(2003年)... etc.

doctor: It's just logic: criminals reflect
    the new realities we live in. New
    realities means new crimes.
Issa: what's so new about our realities?
doctor: Devaluing human life, systemic
    cruelty, serial killers.
Issa: "Serial" is that a special term?
doctor: Could be. They're difficult to link
    to their victims, they lack
    motives... except for the desire
    to kill. They're almost untraceable
    almost. There is one experimental
    method. My personal one. We can
    create a prospective portrait of the
    killer based on their murders and
    use it like a blueprint to filter out
    suspects.

こんな事やあんな事も 題材になったのは?
ソビエト連邦時代に実在した主に子供や女性50人に及ぶ連続殺人犯で、その手口の残忍性の為に別名 "ロストフの肉屋" として知られている人物の殺害手口を大方モチーフに

この映画には真剣な部分が多い。その結果、人の生き死にがシニカル過ぎてコメディを越えてしまった "笑い" も自然に起こる場面もある。ただし、個人的に 

ラストは『ゾデアック』でも『殺人の追憶』でもないラストを迎えている。付け加えるなら古代エトルリアの懲罰方法として... ?

中途半端な終わり方を失礼。 だって、話の内容は言えませんもの... 何か?
Paula

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