ダミアンの出生の秘密は「オーメン(1976)」でも仄めかされていたので、大体どんな物語になるかは想像できる。それでも驚くような展開を見せて楽しませてくれた。ただ、ショッキングな映像の数々は「オーメン」へのオマージュのように見えるものが殆ど。ホラーとしてのインパクトはそれほどでもなく、むしろ悍ましい映像で仕掛けるサスペンスの色合いが強かった。これはこれで結構楽しめたし満足。
ダミアンのような者が何故作られるようになったかはエクソシズムにも見られたような現代的な解釈で示されていて、納得できた。次作へと繋がりそうなフックも最後に仕掛けられ楽しみではある。
《余談》
まぁ科学的に突っ込むなら種間交雑ならまだしも分類学上の目(もく)レベルで違う雑種は生殖隔離が強くまず生まれてこない。受精卵ができるかどうかも怪しいところだが、仮に受精したとしても映画の中でもっともらしい映像(写真)で示されている段階よりもずっと手前で発生は止まり流産となる。ただ、種間雑種でよく見られる雌雄(母父)を逆にした場合の再現性ある違いなど興味深い視点も含まれていて、酒飲み話にはうってつけのネタであることには違いない。
字幕翻訳は高内朝子氏。