ころん

不死身ラヴァーズのころんのネタバレレビュー・内容・結末

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

これ以上ないくらいの恋愛映画であり、時間と記憶に関する映画でもある。

劇中でも演奏されているGO!GO!7188「C7」の歌詞があまりにも長谷部りのすぎるので引用させていただきます。

 心配なのは あなたのこと忘れそうなこと
 不安なのは こんな日々にも慣れそうなこと
 1つだけわかったこと あたしは強い
 1人になった時 実感する

長谷部りのが運命の相手と信じてやまない甲野じゅん、ふたりが両思いになるとじゅんくんは消えてしまう。それでもじゅんくんを探し、見つけては恋をし、また消えてしまう。何度恋をしてもじゅんくんは消えてしまう。でもりのは全力で走る、鼓動に生かされて。


 心配なのは ずっと一緒に居すぎること
 不安なのは こんな日々にも慣れそうなこと
 1つだけ思い知ったこと あたしは弱い
 1人になった時 実感する

大学で見つけたじゅんくん、また消えてしまう恐怖と抑えらない好きという気持ちの間で揺れるりのの疲れ切った表情が良い。しかしじゅんくの様子がどことなくおかしい。大学で出会ったじゅんくんは病気の後遺症で記憶を1日しか保持できなくなっていたのだ。
毎日じゅんくんを自宅まで迎え行き、一緒に1日を過ごして、別れ際にラブレターを渡す。「明日も健やかにね」という言葉とともに。記憶がリセットされてしまうがゆえに、じゅんくんは毎日少し行動や発言が違ったりする。それでもりのはじゅんくんと一緒にいることを望む。

今回もじゅんくんは消えてしまうのか?1日で両思いになることは難しいから現状維持が続くのか?忘れられる存在がじゅんからりのに変わってから、ドキドキしながら観ていた。いつXデーがきてしまうのか。でもじゅんくんは毎日書いてる日記に時折残していたのだ、りのについて。じゅんくんの中でも積み重ねられているものがあったのだ。

いなくなってしまったじゅんくんを探すりの、それに付き合う腐れ縁の幼なじみ田中。ずっとりのを近くから観察していた(この言葉選び、すごい好きです)田中によって明かされる事実。いやいやいやさすがに脳内お花畑すぎるでしょと言ってしまいそうになるのに、じゅんくんが好きだと言うりのの笑顔を思い出して納得させられてしまった。"好き"は無敵だ。そして無限大だ。"好き"という気持ちの積み重ねに完全敗北してしまった。ここまで"好き"という気持ちを肯定されると清々しい気持ちにさえなってしまう。

笑顔が最高にキュートな見上愛さん、様々な姿を演じ分けた佐藤寛太さんも素敵だったけど、田中を演じた青木柚さんがハマり役だった。異性の友人でありながらも性別を感じさせず、どことなく達観した雰囲気を感じさせながらもりのに寄り添う優しさ。田中がバイトしてるカフェバーに行って接客されたいです、田中と話してみたい。

新幹線越しに見えるカラフルな住宅街、自然が多い中で一際印象に残るカラフルな花達、りののカラフルな服装。とっても可愛い恋愛映画でした。
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