さしみ

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスターのさしみのレビュー・感想・評価

3.8
“彼女にとってピアノは言葉”

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』ジェーン・カンビオン監督の1993年の作品ですが近年の素晴らしい映像技術の発展で4Kデジタルリマスターにて鑑賞。
19世紀半ばのスコットランド、6歳の時に“自ら口をきかない”事を決意したエイダ(ホリー・ハンター)が娘と共に写真でしか見ていないニュージーランドに住む男性の元に嫁がされます。
ピアノはエイダにとっては何よりも大切な存在であって荷物運びで雇われた先住民達に雑に扱われる事は耐え難い苦痛です。
そもそもピアノを家に運んで欲しいエイダの希望を却下しピアノと土地を交換してしまう初めて会う“夫”。
一方ピアノを所有した先住民化しているベインズ(ハーヴェイ・カイテル)はピアノレッスンと称して特に習うわけでもなくエイダにセクハラするも、エイダの気持ちも徐々に変化して…🫣
エイダは娘以外の人間には笑顔すら見せず硬い表情が印象的でした。
歩く道がだいたいぬかるんでいて明るく晴れる日はほぼなく雨がよく降り(雨季の設定か)
エイダの不穏な気持ちを表現しているかの様です。
意志の強い女性が辿った愛の顛末は見応え充分。
当時アカデミー賞助演女優賞を獲得した娘役のアンナ・パキンちゃんの演技はお見事の一言!
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