広島カップ

ゴジラ-1.0/Cの広島カップのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)
5.0
「ゴジラマイナスイッテンゼロスラッシュシー」ではなく、「ゴジラマイナスワンマイナスカラー」と読むんですトッ!
マイナス思考の私のような人間でもこれはとても読めませんでした。(コリスギ?)

まだカラーテレビが普及していなかった時分、ニュースも相撲も鉄腕アトムもひょっこりひょうたん島も皆んな揃って白黒で観ていた子供の頃に、白黒テレビで白黒ゴジラを体験できた私のような世代にとってはこれは嬉しい作品です。そんな世代ではないと思われる山崎監督には素敵なオマケをありがとう!と言いたい。
東京の下町の我が家に置かれていた小さな白黒TVの中に現れた怪物を本物と信じ、大戸島の丘の向こうに現れたゴジラは本当にいる!と感じていた幼気な子供時代の感覚がもしかしたら本作で甦って来てくれるかも?とウキウキしながら劇場に向かいました。
思えば子供の頃の私が接する映像文化は殆ど全てが白黒だったわけで、その中でゴジラも白黒であったというのがリアルな感覚を世間知らずの子供に惹起させた要因で、これはある意味でシアワセな事でした。

生まれてからカラーテレビしか観ていない世代がマイナスカラーゴジラに対峙するのと私のような世代では、本作に期待するものが元々違うのです。

全く私の記憶の中の感覚での話ですが、白黒テレビの白黒ゴジラの白黒具合と、本作のマイナスカラーのマイナスカラー具合とは違うように思います。
おそらくは昭和の雰囲気を色濃く出そうとしてマイナスカラーを製作したのかもしれませんが、白黒フィルムで撮った物を白黒テレビで観る純正白黒ゴジラとマイナスカラーゴジラとは全く別物だと思いました。
作品自体はその構成する要素が色以外同じなので「コチラのゴジラも、ドチラのゴジラも良かった」と感じました。
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