東朴幕院

ストップ・メイキング・センス 4Kレストアの東朴幕院のレビュー・感想・評価

5.0
日本初公開時には、渋谷と池袋で夜9時からの上映のみで、鑑賞出来ず。その後、日本のメディアではピーター・バラカン氏の『ポッパーズMTV』で紹介したのを機に個人的には見たくて仕方ない状態だったのをレーザーディスクで我慢していたのがつい最近の様に思い出しての今回の鑑賞となった。

公開初日のなるべく早い時間帯のIMAXで鑑賞したのだけれども、A24のロゴを見てのオープニング。まず、パブロ・フェッロのタイトルロゴがクリアな事に驚かされた。ロゴの掠れ具体もはっきり分かる状態となっている。そしてデヴィッド・バーンがカセットプレイヤーと共に演奏する『Pcyho Killer』のギター音のエッジの効き具合も良好。そして、ティナ・ウェイマス、クリス・フランツ、ジェリー・ハリスンの順で演奏者を加えていくと共にステージセットも完成していくという何とも臨場感のある演出と共にバンドが完成していく。その様は、この瞬間がトーキングヘッズというバンドのピークを象徴している様で何とも感慨深い感情が湧き出てしまったね。
そして、時間と共にステージの背景も意味ありげなワードを映し出したものから、徐々に背景の表示はなくなり、固定されたライトで演奏者の動きによる影の動きを臨場感と共に浴びせられる状態になる転調もギミックが効いている。ここまではデヴィッド・バーンの着用するジャケットは普通サイズであるのであるが、トムトムクラブの『Genius of Love』を挟んで再登場してきたバーンが着用するのは本作品のシンボリックなジャケットであり、完全にヒラメの様な出立ちとなるその大きなサイズに驚かせれるのと、その同じタイミングで照明の光源も黒子の照明係が手持ちで移動する様になり、よりその影もエネルギッシュに動き回る事となる。そこからのライブの盛り上がりは当然ながら最高潮となる。
今回の4Kリストアも実に偉大な作業であったのだろうと思われるが、日本語訳が付いた事でそれぞれの楽曲のメッセージなども知る事も出来て、それは感動的な体験であったね。
ライブ作品で本作の右に出るものはないだろう。
東朴幕院

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