東朴幕院

マンティコア 怪物の東朴幕院のレビュー・感想・評価

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)
4.0
なかなか緊張感のある作品だった。
VRゴーグルを駆使してゲーム中に登場するモンスターのグラフィックを製作している主人公が、同じアパートの火事を鎮火しその部屋の鍵っ子を救助する所から始まる本作。

主人公のコミュ障な性格をちょっとずつ開示していきながらも、彼女らしき人も現れ充実した生活を送っていると思いきや….。

ストーリーの冒頭で少年との交流会を描きながら、突然、彼に似た風貌の女性が現れるというのが非常にユニークで観客をちょっとした混乱を引き起こしたりする所が憎い作りとなっている。

その女性がコケティッシュで魅力的なのがまた良いね。

途中はその彼女との交流を描く所が主体となっているので恋愛映画然としているが、終盤に突然の転調が待ち構えている。
その転調が彼の奥底に潜んでいた性質であり、それが表面化してしまうラストはもう見ているのが辛くなる程だ。

コミュ障、小児性愛、共依存、ファザコンなどが散りばめられている本作、テーマとしてもかなり重く印象的。
それで且つ画面で何を見せて、何を見せないかの編集とフレームワークも見事であったね。
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