ぶみ

コーヒーはホワイトでのぶみのレビュー・感想・評価

コーヒーはホワイトで(2024年製作の映画)
3.0
真相はやがて白く、明らかに。

岡山一尋監督、加藤小夏主演によるミステリ。
普段は喫茶店でメイド姿で働く探偵が、通り魔事件等の真相に迫る姿を描く。
主人公となる探偵モナコを加藤、モナコの相棒・松井由美彦を好井まさお、喫茶店のオーナーを川﨑麻世が演じているほか、奥貫薫、生島勇輝、小野真弓、大村彩子、桃月なしこ、石田千穂、和田崇太郎等が登場。
物語は、探偵であるモナコが迷惑行為に対するキャバクラのママからの依頼を筆頭に、次々と依頼者が現れ、推理していく様が中心となるのだが、やはり面白いのはその設定。
普段は真っ白なロリータファッションで喫茶店「モナ」で働くモナコなのだが、客が「コーヒー、ホワイトで」と注文すると、それが合言葉となり、探偵事務所に一変、裏メニューであるホワイトコーヒーとともに相談に乗るというもので、ここだけで掴みはOK。
モナコは基本ツンデレで白いメイド姿なのだが、時に女子高生、時にスーツ姿へ変貌し、はたまた何気にアクションも抜群で、彼女を演じる加藤の魅力が存分に発揮されている。
そんなモナコが捜査に挑む様子も、好井演じる由美彦との凸凹コンビは、探偵ドラマとしてお約束とも言えるものであり、それぞれの事件が繋がっていく展開も悪くない。
ただ、終わってから純粋にミステリとして考えると、結構穴があった脚本だったような気がしたのと、そもそもモナコの過去についての描写が弱かったのは残念だったところ。
反面、この手の作品は、往々にしてご当地ムービー的な側面が強く、無駄に地方の描写に時間が割かれる傾向があるのだが、本作品は、そういった趣は一切なく、基本ミステリに徹していたのは好感が持てた次第。
全体的には、特筆すべきような映像美やスケール感があるわけではないので、二時間ドラマの域を脱していない感は否めないが、ツンデレ主人公によるコスプレミステリとしての面白さは確保されており、ホワイトコーヒーを飲みたくなる一作。

私の推理に、どこか澱みはありますか。
ぶみ

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