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Civil War(原題)のHikeのレビュー・感想・評価

Civil War(原題)(2024年製作の映画)
4.0
「カメラのシャッターを切る」
「銃の引き金を引く」
英語ではどちらも同じく「Shoot」で表現される行為である。

作中では「そこに対象がいるから、わたしたちは相手を倒すのだ」といったセリフが兵士によって語られるが、実は主人公たち撮影クルーも同じく戦場に対象があるから撮るという点でも共通があり、実は戦争への参加という比喩に取ることも出来る。というか、カメラを構えて相手を狙う主人公たちの姿はそのまま兵士の姿に重なる。

スマートフォンが普及した現代は、誰もが写真を撮ることを可能にした。あるいはソーシャルメディア上で、世界にあるいは個人に対して爆弾を投げつけることを可能にした。

本作の「銃」と「カメラ」というモチーフからは、戦争や分断がいかに自分達と距離の遠くない存在であるのかを突きつけられた。同時に選挙によって世界の分断が顕著になる2024年、アメリカン・ディストピアを描いた本作が公開される意味を考えられる。
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