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トラペジウムのHRKNのレビュー・感想・評価

トラペジウム(2024年製作の映画)
3.8
「それは、あなたの夢。私のじゃない。それはとても尊いけど、私はついていけない。」

普通の高校アイドルアニメを期待していくとコレジャナイ感を感じるかもしれない。

全編通しての人間関係は、自分の中学高校時代の部活動を想起させた。真面目に全国出場を目指すメンバー、流れで入り楽しいからという理由で続けているメンバー、他のやりたいこととの両立を前提としてるメンバー、個人的な人間関係のために付き合いで所属を続けているメンバー。

どれも動機自体は否定されるべきではない。でも行き過ぎた情熱は盲信と暴走に行き着く。結果的にそれが問題や衝突を生み、最終的には活動自体が失敗になるかもしれない。それでも残る物はあるかも知れないし、全力でなにかに取り組む事は時に代えがたいほど強固な絆を生む。

そんなある意味青春というもののリアルさを、個人的な経験からこの映画を通して感じた。

ただ、ややここからネタバレを含むが、主人公の一部言動は下手したらやられた側はトラウマ物だし、人によっては人生を壊すかもしれないくらいやりすぎてる。それが普通にみんな仲良しパーフェクトハッピーエンドになるのは割と違和感。

多分普段のアニメなら気にならないが、変にリアルな青春の人間関係を描いてるがゆえに他アニメと比較してやや気になってしまう。

とはいえ、アニメクオリティはさすがのクローバーワークだし、楽曲もそれっぽくて良かった。現在のfilmarksスコア3.5は個人的には少し過小評価とは思うが、ただ観客を選ぶ映画だとも思う。
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