マーフィー

かづゑ的のマーフィーのレビュー・感想・評価

かづゑ的(2023年製作の映画)
4.0
2024/04/27鑑賞。

「人間は人間性を失いません。どんな状況でも」

ハンセン病について自分がどう思ってるかは今まで言語化したことなかったけど、
たぶん「そこまでする必要なかったのに隔離とかしまくったせいで差別される人が生まれてしまった病気」ぐらいに感じてたんやと思う。
それは間違いではないけど、もちろん本質をとらえてないし、それ以上考えることを止めている時点で罪深い。

『あん』だって見てたけど、
あの作品はハンセン病についてそこまで深くは語られていないし、私の「よく知っている」差別されることが描かれていた映画なので、
やはりそれ以上考えていなかったのだろう。
自分の無知を再確認した。

長島愛生園のようなハンセン病療養所はどのようなところなのか、そこでの暮らしはどのようなものなのかそんなところから、
園内通貨が使われてることや園内で結婚する場合は断種しなければならない(遺伝病と思われていたことや、優生保護法と照らし合わせて考えれば予想がつくことだが)ことなど、知らないことだらけだった。

そして何よりかづゑさんが「いい格好して本物は出ません」と言って入浴やサインを書くところから、園内でのいじめなど自分の過去まで、全てを曝け出してくださったことに感謝しかない。
歴史を追うだけでは分からないことが確かにある。
本当に感服した。


かづゑさんの言葉ひとつひとつが心の奥にずっしりとくる。
「天国だし、地獄だしね」
「ふるさとを歌うのは無礼だと思う」
「もう離れんからな」
なんて重みがありすぎる。




「ちゃんと生きたと思う」
果たして自分もそう言える人生を送れるだろうか。













昔書いた文章を見返すのって恥ずかしいよね笑
めっちゃ分かる。
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