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テルマ&ルイーズ 4Kのこなつのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)
4.0
リドリー・スコット監督の1991年の作品。監督監修によるオリジナルネガからの4Kレストア版で初鑑賞。ジャケ写の2人が素敵な雰囲気で気になっていた作品。第64回アカデミー賞で脚本賞を受賞。

リドリー・スコット監督と言えば、新作では「ナポレオン」、過去に「エイリアン」「オデッセイ」などの大作はあるが、個人的には「ケディ家の身代金」や「GUCCI」が印象に残っている。

監督は、美術大学出身というのもあって、独特な感性でのこだわりの映像に卓越した手腕がどれも魅力的だ。この作品も壮大なアメリカ大陸の大自然の風景に圧倒され、すっかり魅了された。

平凡な主婦テルマ(ジーナ・デイヴィス)がレストランに勤める友人のルイーザ(スーザン・サランドン)とドライブ旅行に出かけることになった。途中、レイプされそうになったテルマを助けて、ルイーザが護身用の拳銃で相手の男を撃ってしまう。楽しいはずだった旅行が一瞬にして殺人犯としての逃避行になる。メキシコ目指して逃げる2人には決して楽な道のりではなかったが、次第に自分らしい生き方に目覚めて行く。

気が弱いのに大胆。ウブなのに男好き。人を信じ易くすぐ騙されるテルマ。彼女の行動に振り回され、挙句に殺人を犯すルイーザにも昔レイプされた過去がある。ある事がきっかけでテルマが急に奮い立ち、ルイーザを引っ張り、2人の関係が逆転する。普通の女性だった筈なのに、歯車が狂ってとてつもない逃走劇になってしまう。若きブラッド・ピットも出演。ジーナ・デイヴィス相手に強烈な印象を残した。

1966年製フォード・サンダーバード・コンバーチブルがめちゃくちゃかっこいい。(車には詳しくないので、この車の名前はしっかり調べた)あんな車でアメリカ大陸を走ってみたい。

昔も今も代わり映えしない女性達の立場、30年以上の時を経ても色褪せない映像、自由に向かって走り出す切なくも胸を打つロードムービーだった。
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