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けんかえれじいのtakのレビュー・感想・評価

けんかえれじい(1966年製作の映画)
3.3
昭和10年頃の岡山と会津を舞台にした青春映画。僕らの世代にリアルタイムな鈴木清順監督の映画というと「ツィゴイネルワイゼン」や「カポネ大いに泣く」。それだけにこのストレートな喧嘩青春グラフィティは実に新鮮。

川津祐介扮するスッポンがえらいカッコいい。豆鉄砲食らわせて、ローラー搭載の下駄で学校を逃げるシーンは笑わせてもらいました。みち子さんへの思いをピアノにぶつける珍(チン?)場面、
「あゝ、かの白き手よ」
「お嫁さんになってーな」のような台詞
「気が向いたらここに接吻して送り返してください。」
てな手紙を送るところ、今みると実にかわいいよね。

そんな微笑ましい前半から一転、軍国主義が強くなってくる後半。急にシリアスになるのにエッ?と思って、乗り切れないままエンドマークを迎えた。あの後みち子さんどうなったのだろう?。そして2・26事件の首謀者として知られる北一輝を新たな喧嘩の師とするかの如く、主人公が東京へと旅立つラストに、その時代の空気感が込められている。
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